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奈良社会保険病院
運営・経営方針
地域の患者さんが、この病院で診てもらいたいと思う様な病院にすることが一番です。
基本的にはまず、診療体制をきっちりとするということです。
ここへ来てちゃんと信頼して診てもらえるのかどうか、信用できるスタッフかどうか。
特に医師の体制を整えることが重要だと思います。それが健全な経営に絶対に必要なことです。また、職員一人ひとりが患者に来てもらえる病院をつくるという意識にならないといけないと思います。「自分達が病院に対し何ができるか、どの様な病院を作るのか」といった視点を持った職員を育てていかなければいけないと思っています。
1. 地域医療機関との関わり
奈良社会保険病院は全国的にも早くから市医師会と連携して医療連携相談室を立ち上げました。平成8年頃から厚生省のモデル事業、モデル地域として立候補し、早くから地元医師会の先生方と緊密な連携を行っています。
現在、約70の施設と連携し、私自身が年に一度、事務局長と施設を一通り訪問して、意見交換をしコンタクトをとっています。
病院には専門医も多いので、診療所の先生方と協力して、市民公開講座を一緒に行ったりもしています。
2. 今後の展開
全国の社会保険病院は、2年後に新しい組織である「独立行政法人地域医療機能推進機構」になります。この10年間、社会保険病院の存続問題があって本当に不毛なことが多かったです。多くの病院は風評被害による打撃を受けましたし、奈良社会保険病院も例外ではありませんでした。母体である社会保険庁がなくなり、現在は年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)に預けられるという非常に変則的な形となっています。昨年の6月に独立行政法人地域医療推進機構法案が通り、今は2年間で移行に向かってどれだけのものを準備できるかということに心を砕いています。地域医療機能推進機構ですから、名前のごとく、地域の患者さんの要求をどれだけ汲んでやっていけるかどうかですね。
当院は地域医療連携の中心とならなくてはいけません。それには診療体制をきっちりと確保して、いかなる要求にも応えらえるようにしていきたいですね。また、当院でできなければ、連携している医療機関に適切にお送りするなど、地域で医療を完結することができる組織づくりを目指します。特定機能病院で行うような高度な医療ではなく、一般的な疾患、あるいは特殊な疾患でも、連携病院と連絡を取り合い、患者さんが一番良い治療を受けることが、できるよう役割を果たしていかなくてはいけないと思います。
新機構は、社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院が一緒になり、約60病院からなります。また、看護学校、介護老健施設も加わりますので、かなり大きな組織となります。厚労省の関係しているグループ病院としては3番目の独立行政法人の機構となります。
各病院が地域で求められる役割を果たしていくことが肝要で、当院としても地域の皆様から真に信頼される病院を作っていきたいです。
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