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千葉県立東金病院
プロフィール
千葉県立東金病院
千葉県立東金病院は千葉県のほぼ中央、人口およそ20万人の山武医療圏における地域中核病院である。山武医療圏は全長約66キロに渡る九十九里浜沿いの1市8町村からなり、1998年に東金病院に着任した平井愛山病院長がまず手掛けたことは医療圏全体のレベルアップを図ることであった。地域の医療機関と協力して「自己完結型医療から地域完結型医療への転換」を目指したと言う。そこで良質な医療を地域ぐるみで提供するために、かかりつけ診療所の医師と定期的に勉強会を開いて、緊密なヒューマンネットワークを構築し、病診連携の先進モデルとして数々の成果を挙げた。
一方で、急速に深刻化する医師不足問題に対しては、「地域で医師を育てる」を合言葉に、指導医の招聘や研修プログロムなどを整備して、全国から地域医療を担う気概にあふれる若手医師を集めた。
平井病院長は「病診連携が機能しないのはシステムを機能させるツールがないこと、そして病診連携の成果を示すアウトカムを示さないからだ」と話す。平井病院長は病院と診療所を広域電子カルテで繋ぐ「わかしお医療ネットワーク」を立ち上げ、病診連携の成果を地域の医師と住民に示し続けている。
平井 愛山 病院長プロフィール
1949年に東京都で生まれる。1975年に千葉大学を卒業後、千葉大学医学部附属病院内科医員を経て、国立柏病院(現 国立がん研究センター東病院)、船橋済生会病院(現 千葉県済生会習志野病院)に勤務する。千葉大学医学部第二内科医局長を経て、1998年に千葉県立東金病院に病院長として着任する。電子カルテと地域医療連携ネットワークである「わかしお医療ネットワーク」を立ち上げる。2000年に「健康ちば21」策定専門委員会委員長、2002年に経済産業省「先進的情報技術活用型医療機関等ネットワーク化推進事業(平成12年度補正予算)に係る事後評価有識者委員会」委員などを歴任する。医学博士。日本内分泌学会内分泌代謝科専門医。医療システム情報学、加齢医学とEBM、医学教育など専門領域での論文多数。
病院の沿革
1953年8月 | 千葉県内最初の県立病院として、東金病院を開院する。 |
1960年4月 | 千葉県立東金病院に名称を変更する。 |
1964年11月 | 救急病院の指定を受ける。 |
1968年3月 | 現在地に新築移転する。 |
1976年2月 | 救急医療用及びリハビリテーション病棟が完成する。 |
1995年1月 | エイズ治療拠点病院の指定を受ける。 |
1996年8月 | 災害拠点病院の指定を受ける。 |
2001年9月 | 保険医療福祉行政の一環として、性差に基づく医療整備の推進を目的に女性専用外来がスタートする。 |
2002年4月 | わかしお医療ネットワークの本格運用を開始する。 |
「わかしお医療ネットワークは電子カルテ網で病院、診療所、保険調剤薬局を繋ぐものです。このネットワークを有効に使って、病院完結型の医療から地域完結型の医療への転換を進めているところです。」 |
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