短期間でのご決断(上)
2013年05月15日 コンサルタントK
K先生との出会いはある病院の院長からの紹介だった。
「当病院で勤務しているK先生がこの度、精神保健指定医を取得したので転職を考えている。仕事の面でもプライベートでもとても真面目で熱心な先生なので是非、良い病院があれば紹介して欲しい。」というような内容であった。
同じ病院で勤務している院長からご紹介頂くといったケースは、なかなか珍しい。初めはとても驚いたが、コンサルタントとして紹介して頂いた院長に恥ずかしくないご転職先のサポートをしなければ、という気持ちに湧いた。
院長に早速メール。紹介して頂いたお礼とそのK先生との面談を申し入れた。そしてその翌日、K先生ご本人からもメールを頂き、やり取りが始まった。メールでは、院長の仰っていた通り、非常に律儀で真面目そうな印象を持った。これまでのご経歴なども伺いご希望の詳細を確認。素晴らしいご経歴の先生と感じたと共に先生側からの要望も高くなるのではないかという少々の不安を抱いた。しかし希望に応えたい、いや希望を超えたいという気持ちを胸に早速面談のお約束をした。
K先生は50代の精神科の医師。現在は週5日勤務で当直が週1回、年俸は1500万円。
現在の勤務の中で何に不満を抱き、転職をしたいのか。院長ともうまくやっている様子だが何故…。そんな疑問を抱きながら求人を見つけることとなった。K先生の求めているものは何なのか。ご転職を考える人の中には通勤時間が長過ぎる、お給料が安い、職場での人間関係が上手くいっていない、他にやりたいことがある等、様々な理由が挙げられるだろう。理由があるとすれば、その問題を解決して今以上の勤務先を見つけることが私たちの使命だ。面談の日までにできる限り、K先生の希望に沿った医療機関の紹介が出来るよう、K先生の通勤可能エリアの医療機関に求人状況の確認。時間許す限り直接、医療機関に足を運び担当者との打ち合わせを行った。それに加え、社内では情報を共有し求人を探した。
すると、あるコンサルタントが1つの病院を紹介してくれた。そこは急性期の患者が多く勤務的にはかなりハードな病院であった。そんなに忙しくて大丈夫だろうか。と少々の気がかりを抱えながら、そこの求人の情報も含め、面談の日を迎えた。
求人は急性期患者の受け入れを行っている病院を3件、慢性期患者の受け入れを行っている病院を2件用意した。K先生の第一印象は、とても清潔感のある誠実な方であった。面談では現在の勤務状況と希望の勤務体系の詳細について聞かせて頂いた。
最初は緊張した様子であまり打ち解けられないようであったが、K先生の趣味のお話で盛り上がり、緊張も解れたのかその後、本音を打ち明けて下さった。本来、現職先は急性期の病院であったが、看護師の高齢化に伴い受け入れる患者も急性期の患者がどんどん減っていく中でK先生は不満を抱いていたそうだ。K先生は精神保健指定医として活躍できる急性期患者の受け入れをしている病院を望んでいた。
こんなにも熱心なK先生が今の病院を続けていくのは忍びない、K先生の活躍できる場を紹介し、K先生のお役に立ちたいと素直に感じた。そこで、私は急性期病院の3件の求人をご紹介した。
1つ目の求人は週4日勤務、当直は月に1回で年俸は1,350万円。ご自宅からの通勤時間は1時間弱の病院であった。事務長もかなり気さくな方で常勤は充足しているがそれほど良い方なら是非、紹介してもらいたいと仰って頂いた。
2つ目の求人は週4日勤務で当直は無し、年俸は1,500万円。ご自宅からの通勤時間は30分の病院。明るい雰囲気の病院で条件も悪くない。私の中では第1候補の案件だった。
3つ目の求人は同じ部署のコンサルタントから紹介してもらった求人。週5日勤務で当直が週に2回、年俸は1,700万円。通勤時間は1時間弱。そのコンサルタントによれば急遽、今いる常勤の先生がご実家の開業手伝いで非常勤になってしまいかなり人手不足で困っているという話であった。
それぞれの病院の特徴や詳細、雰囲気、募集の経緯などをすべてお話しさせて頂いた。
すると、K先生の口から思わぬ言葉が返ってきた。
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