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やさしい医療・うそをつかない医療の提供で地域社会へ貢献
新葛飾病院
運営・経営方針
1. 運営・経営方針
「やさしい医療」、「うそをつかない医療」の理念を具現化する部署の一つが医療安全対策室、患者支援室である。新葛飾病院では2004年に患者さんの視点を取り入れた医療安全管理活動を開始した、また、患者さんが自身の治療について学習し、知識を持つことが重要と考え、医療安全対策室と併設して、「からだ学習館」(患者図書室)を開設し、患者相談窓口を併せ持つ機能を「患者支援室」の総称で設置した。
さらに、2007年には医療安全対策室内に専従の医療安全管理者(看護師)を配置し、病院組織の安全文化を醸成している。
「看護師と相談窓口担当者で構成されるセーフティーマネージャーが3人、医療コンシェルジュが1人在籍しています。豊田郁子セーフティーマネージャーは自身の子どもさんを医療事故で亡くしました。現在は医療従事者と患者さんやご家族の信頼関係構築を目指す『患者・家族と医療をつなぐNPO法人架け橋』理事長を務め、講演なども行っています。セーフティーマネージャーは患者さんと医療者の間で中立の立場に立っていますので、患者さんも率直に話しやすくなり、トラブルが減少していますね。専門職が早い段階で介入することで、医療者も病院から守られているのだという意識を持てますし、患者さんとの相互理解、信頼関係の確立に繋がっています。」
職員の働きやすさを保障するものとしては24時間の院内保育所もあり、女性医師も活用可能となっている。
「医師の学会参加も推奨していますし、研究費などの補助も行っています。看護部も看護師不足という状況の中で、7対1の看護体制を維持していますし、地域に信頼される医療機関であるためにも、職員の満足度を向上させていきたいと思っています。」
2. 医療連携
地域医療連携室があり、開業医やほかの医療機関、施設との連携を図っている。近隣の開業医を招く地域医療連携懇親会を開催し、顔の見える関係を構築した結果、紹介率も上昇している。
「内科、整形外科の紹介がメインですね。内科はやはり検査依頼が中心ですし、整形外科では人工関節の手術のオーダーをお受けすることが多いです。」また、最近手術症例数を増やしている、心臓血管外科手術の8割が紹介患者さんですね。
また、2012年度は9回もの公開医療講座を開催し、地域住民のみならず、開業医も出席して、地域連携の一助となった。
3. 今後の展開
葛飾区は今年5月にJR新小岩駅の近くである松上小学校の跡地を活用した病院の設置、運営事業者の公募による病院誘致を発表しました。一次審査、二次審査を経て、9月に医療法人社団明芳会が最優秀提案者として選定されました。現在は葛飾区と医療法人社団明芳会が病院の整備や運営に関わる基本的事項を確認し、相互に協力するという覚書を締結したという段階です。
現在の新葛飾病院は建物が老朽化していますので、何らかの形で新築移転計画を視野に入れた運営をしていかなくてはいけません。内科に関しては地域密着ですね。急性期の患者さんだけでなく、超高齢化社会に対応するため、認知症ケアや生活習慣病の予防などにも傾注します。一方で、循環器内科、心臓血管外科はより専門性を高め、整形外科や透析もより充実させます。去年から消化器内科が活性化し始めましたので、今後は消化器外科の症例数を増やしていきたいですね。
今後も「愛し、愛される病院」を目指し、皆様のお役に立っていけるよう、診療にあたっていきます。いい治療をすれば、患者さんに選ばれる病院になるはずです。地域の患者さんに選ばれるのは当たり前のこととして、全国から患者さんが集まってくるような病院にしたいです。
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