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患者さんと協働して、心のこもった、安全で質の高い医療を
広島市立広島市民病院
運営・経営方針
1. 運営・経営方針
荒木病院長は就任後、病院の基本理念を「患者さんと協働して、心のこもった、安全で質の高い医療を行います」というものに変更した。また、「基本理念実現のための3つの柱」も策定し、チーム医療、地域医療機関との連携、健全な病院経営、医療人の育成などを盛り込んだ。「患者さんとの協働という言葉を使ったのは患者さんと一緒に医療を行いたいからです。やはりキーワードはチーム医療ですね。そして、これからの最重要課題は地域医療機関との連携です。当院は743床という大規模な病院ですが、単独で医療を行える時代ではありません。地域完結型の医療を目指すべきですし、そうすると連携が大切です。救急と高度専門医療の両立ですね。がん、周産期医療のみならず、難病治療も行いたいです。医師の教育は生涯教育です。全ての医師がレベルアップするために、学会参加など、様々な研修ができるシステムを構築します。医師だけではなく、看護師を含めたコメディカルも学べるような環境を整えることで、優れた医療人を育成していきます。在院日数も非常に短くなり、かつ重症の患者さんを診るようになると、優秀な医療スタッフが必要ですから、教育は不可欠です。」
2. 医療連携
広島市立広島市民病院では地域医療機関と密接な関係を築いている。「当院は在院日数が短いので、地域連携は重要です。昨年度は広島市内の各区の医師会と開業医さんと連携の会を行いました。中区は中区だけでやりましたし、それから西区、佐伯区、東区、南区ともあります。広島医師会は歴史的に旧広島市の範囲ですから佐伯区までで、安佐地区は広島医師会ではなく、安佐医師会なのです。そこで、安佐医師会と交流会、勉強会を行い、開業医さんと懇親をしました。当院の職員も参加して、4回行いました。やはり、一緒に飲んで、話をすると親しくなりますので、効果がありますね。顔が見えるお付き合いであれば、紹介もしやすくなります。また、がんを中心にしたKネットにも参加していますし、コメディカルが参加できるがんの研修会や医師をターゲットにした研修会も開催しています。当院は救急を一生懸命やっていますが、患者さんをずっと当院で診ることはできません。そこで、患者さんを転院させるシステムのもとで救急コントロール支援病院があり、そちらとも勉強会をしています。当院からの患者さんを受けてもらう転院先の交流会も行っています。当院から患者さんを紹介もするし、患者さんを紹介してもらうこともありますので、連携の意味がありますね。」
3. 今後の展開
当院は来年4月から地方独立行政法人になります。市立4病院で一緒に独立行政法人化しますが、独立行政法人化しても市の病院であることには変わりがないので、大きな転換ではありませんが、経営形態は変わります。方向性は変わらず、がんも、救急も、周産期も、難病にも取り組んでいきます。高度急性期という特化はしますが、範囲としては維持して発展する方向です。福利厚生などの待遇は変わりません。もちろん、さらに強い経営責任は問われますが、今までは広島市の公務員ゆえに縛りがあった定数が独立後には自由度が上がるのではと期待しています。女性医師への取り組みについては現在は産前産後休暇や育児休暇は取れますが、市立病院ですので、それ以上の復職支援のためのプログラムはまだありません。今後の課題だと思っています。
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