ドクター転職ショートストーリー

オンコール(上)

2015年09月15日 コンサルタントO

ある日、私が担当している東海エリア在住のDr.から当社のサイトに問い合わせがございました。Dr.の専門科目は一般内科。年齢は50歳台後半。

メールでの問い合わせの内容を見ると、希望年俸をはじめほとんどの項目が空白でした。
しいて言えば、休日の部分にだけ少し希望があるご様子でした。

ただそれも、全く常識の範囲内での休日でしたので、正直、その時点では何を重視されての転職なのか、それより、本当に転職を検討されているのだろうかという印象でした。

そういった事もあり、私はDr.の真意を聞き取る為に一度お会いして、直接Dr.のご希望を教えて頂きたい旨、お返事しました。

Dr.は快くご了解頂き、そして面談を迎えました。

第一印象はそれまでのメールのやり取りで感じ取れた通り、大変人柄の良い、腰の低いDr.でした。まさに、口調を始め、立ち振る舞いからもその人の良さは見て取れました。

これだけ温和な雰囲気でコミュニケーション能力にも長けたDr.であれば、何処の医療機関でも引く手あまたでしょうし、非常に需要の高い一般内科となれば希望条件を高く望まれても問題ないのに・・・とも思いました。

それだけに、余計、今回の転職理由に興味が湧いて参りました。

私は面談に於いて、当初の問い合わせで空欄になっていた箇所から順番にヒアリングを行いました。

週の内の勤務日数、勤務時間、当直の可否、希望の年俸等々。

どの質問に対してもDr.からの答えは「普通で結構です」の一言でした。

最初は堅苦しい会話であった内容も次第に、お話しをさせて頂くうちにDr.の様々な背景等も教えて頂き、会話も弾んで参りました。

そして、唯一希望の記載があった休日についてヒアリングをしました。

その答えを聞いて私は驚愕しながらも、今回、Dr.が転職を考えられた理由にすぐさま納得しました。

正直、私の手元の資料の中には普通の条件での一般内科の求人は十分過ぎるほどありましたが、その大半のものがご提案できるものではないとすぐに認識致しました。

その理由はオンコールでした。

次へ続く

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