ドクター転職ショートストーリー

2年越しの転職(上)

2015年08月15日 コンサルタントH

A医師と初めてお会いしたのは今から2年前の春でした。

当時は神奈川のクリニックで院長をされていたのですが、クリニックの方針が変わり、自身としても今まで培ってきたことを今後生かせるのか悩まれている時期でした。

また、ご家庭の事情もあり、神奈川から東京に引越しをすることも考えられていて、東京都内のクリニックでいい案件があれば紹介して欲しいとのことで弊社にお問い合わせいただきました。

現状の勤務や希望などをお聞きする中で最初にネックになったのが、先生の年俸でした。

今は、院長職ということもあり、週4日の外来のみで1450万円ももらわれていました。

なかなか都内の案件でそれを上回る形での案件を探すことが難しいと、そのときは正直感じたのを今でも覚えています。

また、先生の専門分野も悩まされた一つでした。

元々は脳神経外科としての医局に属されている期間が長い先生なのですが、多彩な診療経験をお持ちでした。

外来の内容としても内科、脳神経外科、認知症、漢方、アンチエイジング、機能性医学、サプリメント、統合医療、メディカルカウンセリング、頭痛、禁煙、超音波ドック、ゲノム、健診等々・・・

今も、大学で研究をされていたり、漢方の勉強をされていたり、とにかく幅広い診療ができる先生でした。

おそらく私がお会いした先生の中でも専門外来を行える数としては有数だと思います。

そのなかでも、今後は自由診療や、代替医療にも深く興味をお持ちになられていたのですが、なかなかそのような案件は出てこずに、2ヶ月が過ぎてしまいました。

いくつか都内の案件を紹介した結果、気になられる医療機関はあったのですが、先生の心を動かすことはできませんでした。

そうこうしているうちに、勤務されているクリニックとの契約更新を迫られ、しかたなく、その年の段階での転職をあきらめざるを得ませんでした。

それから転機は2年後の春先でした。

面談で外出しているときにA医師より少し電話できますか?と一通のメールが私の携帯電話に入ってきたのでした。

何かあったのかと思い、電話をしてみると、横浜に家を購入されたということと、今年こそは転職をしたいという内容でした。

正直、以前に話をお伺いしていたときはまだ迷われている部分があり、案件を紹介しても本腰が入っていない印象を受けていましたが、今回は決意のようなものが感じられ、私も今年こそは満足されるクリニックを紹介しようと心に決めました。

次へ続く

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