家庭と仕事の両立(下)
2014年02月01日 コンサルタントT
労働条件について双方の確認が取れ、契約書の締結に向けて動いている時でした。
突然、Bクリニックの院長先生より連絡があり、大学医局から小児科の先生を1人受け入れないといけなくなる可能性があるので、一旦お話をストップさせて頂きたいとの内容でした。
私は、院長先生に詳細を確認する為、直ぐに連絡を取りました。医局側には、既に採用予定の先生がいることを伝えているとの事でしたが、救急対応等の際には大学病院との連携が大切なので、医局側との話し合いがクリアにならないと契約の手続きを進められないとのお話を伺いました。
0先生は既にご入職に向けて準備をされていた為、院長先生にご相談させて頂いたところ、院長先生の本心は大学医局からの先生を受け入れるより、0先生にご勤務頂きたいとのご意向でした。医局側との内容が確定するまでは、0先生にお伝えするのは暫く待って欲しいとのお話となりました。
今回の事で、大学医局とクリニックの関係を目の当たりにしました。クリニックとして独立しているものの、現実は救急搬送先の総合病院との兼ね合いもある為、そう簡単には話の決着がつかない事を実感しました。
0先生には院長先生のスケジュールの都合上、契約書の締結については、もう暫くお時間が掛かる事をお伝えし、ご了承頂きました。
院長先生とは定期的に連絡を取り続け、医局側との話し合いの進捗状況について、都度確認を行いました。大学からの申し入れをそう易々とは断ることが出来ないと何度も伺いながらも、今回の再就職に向けて0先生がどれほどの熱意を持っておられるかをお伝えし続けておりました。
入職の話が一旦ストップしてから3週間が過ぎようとしていた頃、私は再度院長先生と連絡を取りました。その結果はやはり、大学からの先生はお断り出来ないので、0先生に事情を説明して欲しいとのお話となりました。
私は0先生へ医局との兼ね合いからクリニックの事情が変わった事をお伝えしたところ、0先生は非常に落胆されておりましたが、「常勤での勤務が難しいのであれば非常勤で構いませんので、週1日からお世話になる事は出来ないでしょうか?」とのお申し出を頂きました。
私は直ぐにBクリニックの院長先生へ連絡を入れ、非常勤での勤務についてご相談させて頂きました。すると0先生からは「そこまで仰って下さるのであれば、是非前向きに検討します。」とのお返事を頂く事が出来ました。
労働条件については再度調整する事となり、勤務時間や時給等の非常勤勤務について話を進め始めて3日が経った頃、再度院長先生よりお電話を頂きました。
「大学医局からの受け入れはお断りしました。0先生には当初の労働条件通り、週4日勤務の常勤医として是非ご勤務頂きたい。0先生の熱意に期待したいと思います。」とのご依頼でした。院長先生自身も、0先生の熱意に心を動かされたご様子でした。
話が二転三転しましたが、0先生へも再度ご説明し、当初お話させて頂いていた条件で是非とも常勤医としてご勤務して頂きたいとの院長先生のご意向をお伝え致しました。労働条件は、週4日勤務で、年俸は1,000万円。当直はありませんが、週1回夜診を担当して頂くとの内容です。
0先生ご自身も、長年大学医局でご勤務されていた事もあり、突然のお申し出に戸惑われながらも「院長先生にそこまでして頂いたのであれば、是非お願いします。」と常勤でのご勤務について、再度ご承諾頂く事が出来ました。
0先生がご入職された後、Bクリニックへご挨拶に伺った際には、労働環境にご配慮を頂いた事もあり、生き生きとご勤務されている0先生のお姿がありました。院長先生からも「非常に患者さんからの評判も良く助かっています。」とのお言葉を頂く事が出来ました。
今回の0先生の入職で、私は同じ女性として、子育てをしながら仕事に復帰をする大変さや、医師として、母親として、妻として、家庭と仕事の両立の難しさを感じました。今後も一人一人の先生方との出会いや、医療機関様との出会いに感謝しながら、双方の希望に適ったご紹介が出来る様取り組んで参りたいと思います。
完
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