再起(下)
2007年09月01日 コンサルタント0
翌日から病院に問い合わせる日々が始まりました。仲間のコンサルタントは勿論、他の事業部のスタッフにも協力を求めたものの、なかなか色よい返事は頂けません。
日に日にあせりを感じながら、それでも丁寧に見送って下さった先生のお姿を思い出しては、粘り強く交渉に当たりました。Y先生の熱意に共感してくださる病院がきっとあるはずと信じて。
そんな中、ある病院から老人病棟の管理を担って下さる先生を探しているとの話しを頂いたのです。それも、出来ればキャリアの長い先生を希望されているとのこと。
お伝えしたところ、Y先生はぜひお世話になりたいとのご回答。早速Y先生のプロフィールを持って病院を訪問しました。
しかし病院側も、やはり心配のご様子。とにかく面接にさえ持ち込めばとの想いで粘る私。
そして何度かの交渉の末「とりあえずお会いしてみましょう。」という事務長の言葉を取り付けたのです。
「先生、面接も頑張りましょう。」と言う私に、Y先生は「ええ、再起を掛けて。」と力強く答えられました。
病院で1次面接、本部で2次面接。2度の面接は病院側の評価も高く、ご勤務されることとなりました。年俸も¥1200万の提示を頂き、大幅な減額を覚悟されていた先生は驚いていらっしゃいました。その金額は、前職であるクリニックでの給与と同額だったのです。
それから数ヵ月。ご様子を伺いに訪問した際、事務長から「体調も格段に良くなっていらっしゃいますよ。」と聞かされました。ご勤務するお姿は、確かに最初にお会いした時とは比べようもない程生き生きとされていたのです。足どりも力強さを増し、見違えるようでした。
先生から「私が望んでいた仕事を紹介して頂き、本当に有難うございました。」と言われた時、この仕事をしてきて本当に良かったと思いました。先日、次年度の契約更改もされたと聞き、本当に嬉しい気持ちで一杯です。
『何としても再起して、体の続く限り患者様を診たい』という先生の熱意が勝ち得た転職は、私にとっても大きな励みとなっています。
完
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