ドクター転職ショートストーリー

医師の前に父親である・・(下)

2006年08月15日 コンサルタントA

 それから4日後にA先生とお会いしたのだが、はじめて奥様も同席された。先生より、「色々と検討しました。まず第一に考えたのは、リンクスタッフさんはもちろんの事、T病院の理事長はじめ色々な方に動いて頂き今の話があるということ。このことには、大変感謝しております。そして、最終的に決断できたのは、妻より『T病院を医師としての集大成としてほしい。家族はやはりひとつの屋根の下で暮らす方が良いし、まず何よりこの話を断ったら二度と同じ様な良い話はないと思うよ。』と、云われたのが一番大きかったです。お世話になります、理事長にも宜しくお伝え下さい。」と、T病院への入職に快諾を頂けた。その日は、色々と奥様も共にお話させて頂いたが、先生も4日前の弱気な面影などは一切なく、「これからは、医師の仕事はもちろんのこと、今まで家族に寂しい思いをさせた分、父親としても家族サービスに励みます。」と、前向きな言葉ばかりが聞こえた。家族の絆という言葉は適切ではないかもしれないが、そういうものを感じた面談であった。

 先生がT病院へ入職してから半年後ににお会いさせていただいた際、「週末の休日には、家族でキャンプを楽しんだりしているんです。10年間も家族には寂しい思いをさせた訳だから、仕事以上に家族サービスも頑張ってますよ。」と、とにかくお元気そうで一番最初にお会いしたときの顔つきとは、別人になられたように感じた。
医師という職業は非常に忙しく、なかなか家族との時間は取りづらいのかもしれない。只、医師の前に父親であると考えられた人生の転機に、同じ父親である私も非常に共感でき、お手伝いをさせて頂けた事が本当に光栄であった。
今後のA先生の、医師として父親としてのご活躍を祈るばかりである。

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