ドクター転職ショートストーリー

50代のチャレンジ

2005年08月01日 コンサルタントH

 N先生は、九州の某公立病院の勤務医であった。N先生の専門は小児整形である。先天性疾患のオペを数多く行っており、九州圏内と言わず日本全国からN先生の評判を聞いた患者さんが訪れるほどで、仕事内容には満足していた。ただ、関東に住む両親の介護という問題があり、また自身の年齢も50代半ばを過ぎ、「転職を考えるなら今しかない」、ということで弊社に登録をしたのであった。
初めに、専門を活かすべく小児整形を扱っている病院を探してみたが、すぐに大きな壁に当たった。整形外科の求人は数多いものの、症例数の少ない小児の先天性疾患は公立の専門病院に集約されているからだ。
そんな状況の中、N先生の専門性を評価するT病院を探し出した。小児整形は標榜科目ではないため小児整形を「院内表示」し、N先生を小児整形外科部長として迎え入れたいというのだ。T病院は、メディカルフィットネスというスポーツジムを病院敷地内に持ち、患者のみならず周辺住民にも開放したり、近くリハビリテーションセンターを立ち上げる計画があったり、新しいことにチャレンジしている病院であった。

T病院の院長先生は、「九州でやってこられたように、是非全国から患者さんを呼びよせる看板科目になることを期待しています。」とN先生の専門性を高く評価した。これを聞いたN先生は大変嬉しかったのであろう。T病院への転職の意思を即答された。
今回の転職は、お互いにチャレンジであったことには間違いない。先生にとっては、新たな土地で、新たな立ち上げ科目の責任者になることに不安はあったであろうし、またT病院にとっても、新たな科目立ち上げに対する院内スタッフの理解を取り付け、N先生を支える協力体制を作り上げなければならなかった。しかし、課題が大きいほどやりがいは大きいもの。あくまでも自分の専門性(仕事のやりがい)にこだわったN先生の決心は揺るがなかった。年俸も希望金額1700万をはるかに上回る2000万に上がり、公立病院出身の先生にとっては予想以上な金額であった。
この9月、N先生とT病院のチャレンジが始まる。

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