ドクター転職ショートストーリー

スキルアップのために(上)

2005年01月15日 コンサルタントK

M先生は、30代後半の消化器内科医である。M先生は関西にある私立大学を卒業後、研修を経て消化器内科医となり、医局派遣で順調にキャリアを重ねられていた。しかし3年前の9月、同期のK先生との再会を期に転機が訪れたのである。K先生は数年間、大学の医局派遣で勤務された後、中国地方の内科療養型病院で勤務されている。
久しぶりにK先生と再会されたM先生はある相談を受けた。その内容とは現在勤務している病院の医師が急に退職することになり、色々当たってみたがどうしても代わりの医師が見つからなくて困っているので助けて欲しいというもの。M先生はそれまで、医局を離れることなど考えた事が無くその場では一度お断りされたようだ。しかし再三にわたる誘いと年棒が900万円から1,200万円にアップするという好条件に引かれたことも有り、ついに転職を決意された。その際、生まれてこの方、関西を離れたことが無いのと、療養型の病院での勤務経験がないことに若干の不安がないこともなかったが・・・。
翌年の4月から新しい病院で働き始めたM先生は療養型の病院ということもあり、仕事に追われる毎日から開放された気楽さと、都会の喧騒を離れた田舎暮らしに満足されていた。しかし、半年もしないうちに医局派遣で勤務していたころの様々な症例の患者さんを診て、内視鏡の検査も年間350例はこなしてきたこれまでのキャリアが全く無駄になってしまうのではと不安に駆られたのである。慣れない環境で暮らしていることも重なり、ついに不安を抑え切れなくなって昨年の8月に弊社の門を叩いたのである。

次へ続く

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