Dr.中川泰一の医者が知らない医療の話(毎月10日掲載)
中川 泰一 院長

中川 泰一 院長

1988年
関西医科大学卒業
1995年
関西医科大学大学院博士課程修了
1995年
関西医科大学附属病院勤務
2006年
ときわ病院院長就任
2016年
現職
2021年10月号
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日常の診療ネタ

 この頃あまりアカデミックな話題が無い。例のワクチンで時間取られてるのもあるが、停滞期と言うか、未だ結果が出ていない。「上清液」にしても、色々あるうちの面白いと思う「骨髄幹細胞」の上清液は担当者が、このコロナ禍、なんとヨーロッパ出張だって。隔離期間考えるとしばらく会えない。

 中国の教授だって、「ワクチン打ちたいから日本行くね。」とか言ってるけど一向に来れる気配がない。中国は今、共産党の幹部だけじゃなく、経済人も出国できなくなってきてるから、大きなところの社長は財産守るのに結構必死だ。もっとも私の周りの日本に居る中国の面々は政府に目を付けられるほどの大物でないので、結構景気いいのだが。

 何事も「小金のある庶民」が一番幸せって言うからなぁ。小金というのがどのくらいかがミソなのだが。例の教授もきっと小金は稼いでるはずだけど、妙に社会的地位があるので動きにくいみたい。あの立場で、シノファームのワクチン打たないでかわしてるだけでも大したもんだけど。

 私も何もしていないのじゃ無いのだが、NMN投与した人達も投与期間が終わった人達が出て来たので、テロメア測ってんだけど結構時間かかるので未だ結果出てない。更に例の研究者と添加物を入れて効果倍増を図る実験もしてるのだけど、未だ出来てない。これは私だけの責任じゃ無いのだが、何せ相手は気が乗らないと動かないので・・・。

 で、日常の診療ネタになるけど、ちと気になった件があって。コロナの患者さんから電話が来て、後遺症が続いていると言う。コロナの自主隔離期間終わったけど、頭痛など色々症状が続いていると。「PCRは陰性になったんですか?」「いいえ、陽性です。」「それって、後遺症というより、未だ感染症状ですよね?」「いいえ!隔離期間が終わったのでコロナは治りました!」「でも、症状が続いているし、未だPCR陽性なんでしょう?」「何を言ってるんですか!保健所に聞くとPCRは何ヶ月も陽性に出る事があるのであてにならないと言ってました。先生、少し勉強してください!がっかりです!」。めんどくさいのでお断りした。

 それにしても、保健所がPCR指標にならないって。今までのコロナの検査を全否定するような話じゃありませんか。もっとも、こんな調子の人だから、シツコク詰め寄って、保健所の人も「まあ、当てにならないこともあります。」程度の話を都合よく解釈したんだろうけど。

 ワクチンの事も、色々な意見があるが、「思い込んでる人」は説得できないね。時間と労力の無駄ですね。もちろん、疑問点は説明しますよ。でも、「思い込んでる人」は無理ですね。皆さんもこんな患者さんいてるでしょ。今回はこの辺で。

(11月号に続く)

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