「医師として」 - 強い思いと前向きな気持ち（後）

　また、入居者やそのご家族とのコミュニケーションは現職でのご経験を活かしていただけること、先生のようなご経験豊富な医師こそ求められている環境である点もお伝えいたしました。

先生には『今まで根気よく探してくれてありがとう。受けてみます。』と仰っていただけました。そして、以前と同じくZoomでの面接になりました。今度は、私が、先生のご自宅にお伺いして万全の体制で臨みました。面接は凄く良い雰囲気で行われ、先生の温厚で親しみやすいお人柄が伝わり終了いたしました。数日後、医療機関様より、採用通知をいただきました。

　医療機関様は、先生のことを凄く気に入られたご様子で、是非、来ていただきたいとのことで大歓迎でした。そして、先生にそのことをお伝えいたしました。ところが、先生は、少し不安なところがあるとのことでした。そこで私は、一度、病院訪問をしてみませんか。とご提案いたしましたところ、ご承諾いただきました。

　病院訪問の日になり、医療機関様の理事長、事務長、看護師長にご対応いただきました。面談は、先生のご出身地、ご家族、ご経歴で多いに盛り上がりました。先生のお人柄も十分伝わったと思います。その後、勤務内容の説明や施設の見学、質疑応答の時間等をしっかりと取っていただきました。先生が不安に思っている点一つ一つを理事長、事務長、看護師長にお答えいただく質疑応答の時間を経て、大歓迎の中で訪問を終えました。
その後、数日経ってから先生のお返事は「凄く良い人たちばかりで、働きやすそうですので、よろしくお願いいたします。今まで長い間、本当にありがとう。」と仰っていただきました。

　今回、ご高齢の先生の挑戦をお手伝いさせていただくご縁をいただき、先生の医療に対する強い思い、医師としての強い思いに動かされました。ご年齢だけで諦めていたらこのような結果には至らなかったと思います。あらゆる方向からご提案を行う事の大切さや、先生の思いを医療機関へお伝えすることの大切さを痛感しました。その結果、先生や医療機関にも喜ばれて、私が、この仕事をする理由となっている人の役に立つ仕事であることを改めて実感いたしました。
先生や医療機関、双方に喜んでいただけるよう今後も精進して参ります。