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オールラウンドな総合病院を目指す
社会医療法人 協和会 加納総合病院

プロフィール

社会医療法人 協和会 加納総合病院

社会医療法人 協和会 加納総合病院

 「天六(てんろく)」という愛称で親しまれている、大阪市北区天神橋筋六丁目には大阪市営地下鉄と阪急電鉄の天神橋筋六丁目駅があり、また、大阪市内の幹線道路である天神橋筋と都島通が交差するため、交通の要衝となっている。天神橋筋には江戸時代に日本の物流に重要な役割を果たした天満青物市場から発達した天神橋筋商店街が南北2.6キロメートルに渡って伸び、600店が並ぶ日本一長い商店街として知られている。
 加納総合病院は天神橋筋六丁目駅から徒歩1分の場所に位置し、今年で開設60周年となるケアミックス型の病院である。開設以来、救急を中心とした急性期医療に取り組みながら、療養病床の充実も目指し、2009年には大阪で初となる社会医療法人の認可を受けた。
 今月は加納総合病院の加納繁照理事長にお話を伺った。


加納 繁照 理事長

加納 繁照 理事長 プロフィール

1955年に大阪市で生まれる。1980年に順天堂大学を卒業後、京都大学の外科に入局し、消化器外科を専攻する。研修医として神戸海星病院に勤務した後、大阪赤十字病院での勤務を経て、大阪大学のがん研究施設で4年間、研究に従事する。1990年2月2日に医学博士号を取得する。1990年4月に特定医療法人協和会の副理事長に就任を経て、1999年6月に特定医療法人協和会、社会福祉法人大協会の両法人の理事長に就任する。専門は外科、消化器外科。日本内科学会認定内科医、日本外科学会認定登録医、日本救急医学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器病学会近畿支部評議員、日本人間ドック学会理事、専門医、日本臨床救急医学会評議員、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、大阪府医師会指定学校医、麻酔科標榜医など。

  • 日本医療法人協会       会長代行
  • 大阪府医療法人協会     会長
  • 大阪市大淀医師会       会長
  • 大阪府私立病院協会     副会長
  • 全日本病院協会        常任理事
  • 大阪府病院協会        常任理事
  • 大阪府病院厚生年金基金  理事
  • 大阪府私立病院協同組合  副理事長
  • 社会医療法人協議会     幹事(事務局)


病院の沿革

 1953年8月に大阪市北区天神橋7丁目46番地に加納医院が開設された。現在の加納総合病院の前身である。1957年には医療法人協和会を設立し、21床の加納病院へと組織変更される。
 1968年に大阪市淀川区天神橋7丁目5番26号に移転し、130床の新病院を建設する。

 「当院は今年、60周年を迎えました。1968年の病院の新築移転は地下鉄谷町線の延長工事のために立ちのきをしてほしいと要請があったからです。やむを得ず、近隣に場所を確保し、新病院を建設したんですね。その2年後の1970年に万博が開催されたのですが、当院のすぐそばの地下鉄工事現場で、死者79名、重軽症者420名を数える、とても傷ましい『天六ガス爆発』が発生してしまいました。そのときに、新築したばかりの当院に多数の救急患者を受け入れ、全職員で必死に処置にあたったことがその後の当院の理念ともいうべき『救急に対する積極的な取り組み』に対する礎となりました。」

 1972年に38床増床のための改築工事を経て、1978年には新館が完成し、59床の増床となった。そして、総合病院の認可を受けたことで、名称を総合加納病院と改め、1997年7月に新しい理事長に加納繁照先生が就任する。

 「私の父もそうでしたが、私自身も急性期医療を中心にやっていこうと考えていましたし、地域の救急医療を支えるのは我々だという、先代から受け継いできた使命感を胸に抱いて頑張ってきたわけです。民間病院でありながら、しっかりした急性期医療をやっていくためにはやはり優秀な医師が不可欠です。また、彼らが思う存分、腕を発揮するためには最新の医療機器も不可欠ですので、当時の民間病院としては驚くほどのレベルの医療機器を揃えていました。365日24時間、急患を受けられる体制を作ることが大事ですから、救急には力を入れて取り組んできました。当院は二次救急病院としての役割をきちんと果たしてきたと思っています。」

 2007年には特別医療法人の認可を受けると同時に、300床の新病院が完成し、名称も加納総合病院と改称された。新病院は、一般病院151床(内ICU10床)回復期リハビリテーション病床96床、療養病床53床のケアミックス病院である。
 2009年には社会医療法人制度創設の一年目にして社会医療法人の認可を受ける。
大阪では初めての認可であった。その年には脳卒中急性期の患者さんを専門の医療スタッフが治療を行う「脳卒中ケアユニット(SCU)」3床の開設を行った。救急医療を中心に地域医療を担ってきたが、新病院フルオープン後は脳神経外科、整形外科、内科を中心に大きく飛躍し、2011年の脳梗塞における「t-PA」治療実績は全国第3位、大阪では第2位となった。年間4,500件内外の救急搬送受入を行っていることから、2012年度のDPC機能評価係数Ⅱは、DPC病院Ⅲ群の中で全国第40位、大阪府第2位の高い評価となっている。2013年9月には、ハイケアユニット4床がオープンし、急性期医療を行うための設備がさらに充実し、さらなる飛躍が期待されている。

 「社会医療法人の認可を大阪で初めて受けたことについては、私自身が社会医療法人協議会の前身であった団体の幹事として新しい医療法人制度の構想段階から関わり、団体が発足した後も社会医療法人協議会の幹事として今日まで深く関わっていますから、社会医療法人の認定を受ける必要性については強く認識していました。
 余談ですが、『社会医療法人』という新しい形態の法人名称自体を提案した1人は実は私なんです。社会医療法人協議会幹事が集まって、各々が提案した10数案の候補名称の中で提案した『社会医療法人』という名称が採択されたのですよ(笑)。」

 加納総合病院は365日24時間体制で対応する街の救急病院として、小回りが利くだけでなく、最先端の医療技術と設備を備えている。

 「大阪の中心である北区で、この街になくてはならない存在として、『存在し続けることができる誇り』を胸に、医療を通しての地域貢献を続けていきます。」

2013.10.01掲載 (C)LinkStaff

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