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一人一人の患者さんにオーダーメイドの治療を!!

院長

新井 竜夫 あらいクリニック院長プロフィール

 1953年に東京都杉並区に生まれる。1978年に千葉大学を卒業し、千葉大学医学部附属病院第一外科に入局する。1981年に成田赤十字病院、1982年に千葉大学医学部附属病院を経て、1988年に国立柏病院(現 柏市立柏病院)に外科医長として勤務する。1992年に国立がんセンター東病院に内視鏡部医長として着任し、1997年に外来部医長に就任する。2007年に松戸市立病院に外科部長として着任し、2008年に退職する。2008年に東京都世田谷区にあらいクリニックを開院し、現在に至る。日本大腸肛門病学会指導医・評議員・専門医、日本消化器外科学会指導医・専門医、日本消化器がん外科治療学会専門医、日本外科学会指導医・専門医、ICD(感染制御医)など。日本癌治療学会、日本臨床外科学会、日本化学療法学会、日本ストーマリハビリテーション学会に所属する。

 東京都世田谷区のあらいクリニックは小田急線経堂駅から徒歩2分ほど、商店街と住宅街のちょうど境目に位置するクリニックビル、経堂すずらん会館の3階にある。新井竜夫院長は長く消化器外科の第一線でキャリアを積み、2008年に満を持して開業に踏み切った。最先端の病院で得てきたスキルに甘えることなく、開業後も毎日のように勉強会、研究会に出かけ、アップトゥデートの知見を診療に取り入れている。「患者さん一人一人に合ったオーダーメイドの治療を目指したい」と語る新井院長にお話を伺ってきた。


開業に至るまで

病院風景

◆ 医師を目指した経緯をお聞かせください
 小学4年生の頃、祖父が今でいう脳卒中で亡くなったことがきっかけですね。父は会社経営をしており、それまでは漠然と父の仕事を継ぐのかなあと考えていましたが、祖父の急死が契機となって、医師になりたいと思うようになりました。

◆ 大学時代はどのような学生でしたか
 テニス部の活動に熱心でした。週に4日から5日は練習していましたね。東医体にも出場していました。一方でもちろん、勉強にも力を入れ、授業にもしっかり出席していましたよ。

◆ どのような基準で専門を選ばれましたか
 全身を診たいという希望があり、「大きな科」である外科を専攻しようと思い、第一外科に入局しました。もともと消化器、特に大腸に関心があったので、親しい先輩の勧めもあって、専門を消化器としました。

◆ 医局にはどのぐらい在籍なさったのですか
 10年です。当時はそれが一つの目安で、研究職や教授を目指すなら残りますが、そうでない場合は学位を取得したうえで医局を離れます。私は国立がんセンターの東病院を作るからということで、前身の国立柏病院に就職しました。ここで内視鏡を習得し、大腸がんを専門にするなど、多くの臨床経験を積みました。


開業の契機・理由

病院外観◆ 開業のきっかけはどのようなものだったのでしょうか
 2007年に松戸市立病院に部長職で着任したのですが、現場では手術も行い、充実した日々を過ごしていました。しかし、公立の病院は何かと「縦割り行政」のようなひずみがあり、自分の思うような医療ができないというジレンマが生まれたんです。また、65歳で定年ということを考えると、65歳以降の人生を有意義にするためにも開業を決意しました。

◆ 開業地として、この場所を選ばれた理由をお聞かせください
 ずっと千葉県内の病院で勤務をしていましたが、妻の実家が世田谷区にあることもあって、自宅を世田谷区に構えていました。妻の実家も近くで産婦人科医院を開業していますし、開業地としては世田谷区内が自然でした。 この場所はたまたま散歩しているときに見つけたんです(笑)。ちょうど、クリニックビルの工事をしていたところで、入居するクリニックを募集していました。私が申し込んだのは最後の1軒でしたので、ラッキーでした。通勤も車で数分になりましたので、便利ですね。

◆ 経堂すずらん会館にはほかにどんなクリニックが入居しているのですか
 1階が調剤薬局と小児科、2階が婦人科と心療内科、3階が皮膚科と私どもです。

◆ 開業準備でどんなことが大変でしたか
 半年間しかありませんでしたので、時間のない中、設備などを揃えていったことでしょうか。電子カルテやレントゲンのほか、内視鏡は経鼻、経口、大腸、エコーも心臓、腹部、頚部を準備しました。ホームページも開業前には完成させました。

◆ あらいクリニックのコンセプトをお聞かせください
 20年に渡る臨床経験をもとに、一般内科診療から専門領域である消化器疾患の診断、治療を中心とし、「確かで、分かりやすい医療」を提供することです。さらに、患者さんの個々のニーズに合ったオーダーメイドの医療も挙げられます。理想としては、トップレベルの医学、常に最新で最善の知識を用いて、最高レベルの医療を行いたいですね。そういった知識面は私がカバーしますので、スタッフには患者さんへの適切な接遇を求めたいと思っています。


クリニックについて

病院風景 ◆ 経営理念をお話しいただけますか
 患者さんの満足が得られる対応をし、医学の面はもちろん、クリニック内の接遇やアメニティにも配慮することです。

◆ 治療方針をお聞かせください
 スペシャリティを打ち出し、アップトゥデートな知見を適切に取り入れていくことです。患者さんにご満足いただくためにはスペシャリティを常に磨かなくてはいけないと思っています。そのため、毎日7時に診療が終わったあとは勉強会や研究会に出席するようにしています。患者さんも勉強されている以上は私も最新の知見をリニューアルしていく必要があります。内科で開業すると、専門の消化器だけ診るわけにはいかないので、血管、呼吸器、循環器、認知症、高血圧、糖尿病などを学んでいます。循環器であれば循環器を専門にしてきた医師に負けないぐらいの勉強を積みたいですね。

◆ 検査、治療はどのように行われているのでしょうか
 上部内視鏡は経口、経鼻を完備していますが、今は経鼻のニーズが9割以上となっています。経鼻の場合の診断能力は医師の経験やスキルに左右されます。また、患者さんに苦痛を与えないように極細のスコープを使っています。  大腸検査の場合は最新の検査機器を導入し、腸に二酸化炭素を送り込んでいます。二酸化炭素が腸の壁から吸収されますので、従来の検査で見られたお腹の張りがありません。この苦痛の軽減は患者さんにも評判がいいですね。今年からポリペクも始めたので「内視鏡クリニック」としては格段に範囲が広がったように思います。

◆ エコーに関しては、いかがでしょう。
 頚部、腹部、心エコーの3つセットの検診を1年に1回、受けていただくことを勧めています。これでがんを見付けることも少なくありません。その場合は患者さんのニーズも踏まえ、国立がんセンターなどに紹介しています。国立がんセンターには長く勤めましたので、知っている先生ばかりですから安心して紹介できますし、患者さんが来院される前の日には担当の医師にメールするようにしています。患者さんも心強いみたいですね。

◆ ほかに、どのような病院と病診連携をなさっていますか。
 近くの東邦大学医療センター大橋病院、東京医療センターのほか、JR東京総合病院、東京医科大学病院、関東中央病院などです。

◆ 患者さんはどのような方が多いですか
 胃・腸の「内視鏡検査」を希望して受診される方が多いですね。あとは消化器内科と言いますと、高齢の患者さんが多いというイメージがありますが、私どもでは意外と若い方も多いんです。インターネットを見て、もともと胃・腸が弱くてずっと悩んでいたという10代20代の患者さんも増えてるように思います。世田谷という土地柄でしょうか、ネットなどでしっかり勉強されてくる患者さんもいらっしゃいますので、こちらも理論立ててお話しすることを心がけています。

◆ 診療に関して、工夫をされていることはありますか
 皆に同じ治療を行うのではなく、患者さんに合ったオーダーメイドの治療を行うために、患者さんのニーズをきちんと吸い上げることを心がけています。患者さんがどんな健康増進を目指しているのか、がんが怖いのか、メタボリック症候群になりたくないのかなど、初診時にしっかり話を聞いています。糖尿病の患者さんには食事療法と運動が基本ですが、仕事柄、会食の多い方やグルメがお好きな方には難しいです。そうした患者さんには早めの薬の導入を図るなどの工夫をしています。

◆ そのほか、クリニックの特徴があれば教えてください
 私どもが入居しているクリニックビルは非常に風通しがいいんです。子どもさんが小児科にかかっておられるお母さんが私どもに来院されることもありますし、消化器疾患の原因がストレスで、心療内科の疾患にリンクすることもありますので、良い連携を行っています。ビル内の先生方とは交流があり、年に数回は親睦会を開催していますよ。

◆ スタッフの教育はどのようにされていますか
 スタッフは開業前月にアイデムに広告を出したところ、すぐに充足しましたので、スタッフ集めに苦労はなかったですね。教育にあたっては、看護師は医療に関する知識を徹底してマスターすること、患者さんの目線で仕事をすること、患者さんに思いやりを持って丁寧に接すること、患者さんに来てよかったなと思っていただけるような接遇をすること、患者さんがしてほしいと思うことを率先して行うことなどを話すようにしています。

◆ どのような増患対策をなさっていますか
 ホームページを充実させるほか、経堂駅に看板を出しています。それからバスの車内放送や電柱にも広告を展開しています。電柱は10本程度でしょうか。正直、看板や電柱より、今はインターネットの時代だと思います。一人一人の患者さんに真心を持って接し、新しい医学知識を常に提供することが口コミやリピーターに繋がると確信しています。


院長のプライベート

◆ ご趣味について、お聞かせください
 ゴルフですね。月に1回は行っています。お付き合いで行くこともありますが、高校時代の友人たちと回ることもあります。財務官僚の友人など、普段は聞けないような話になりますので、異業種交流会のようで楽しいですね。スコアは90ぐらいで、茨城ゴルフ倶楽部のメンバーです。


開業に向けてのアドバイス

病院風景 地域医療を行っていくためには特性が必要です。ほかの開業医が持っていないようなことを持っていないと、これからの開業は難しいでしょう。そして開業医には話術や人間性も求められます。患者さんにいきなり体重や血圧の話をするよりも、患者さんに合わせて雑談をすることで、その方の生活習慣や健康に対する考え方を知ることもあります。開業医は患者さんのかかりつけ医として時にはその方の人生にも関わる事もあり、本当に奥の深い仕事だと感じる場面が多いです。それだけに非常にやりがいも感じています。知識にしろ、雑学にしろ、開業医には幅の広さが求められているのではないでしょうか。


タイムスケジュール

タイムスケジュール


クリニック概要

あらいクリニック

  院長 新井 竜夫
  住所 〒156-0051
東京都世田谷区宮坂3-13-6 経堂すずらん会館3F
  医療設備 電子内視鏡 / フルデジタル超音波診断装置 / デジタルX線処理装置 / 電子カルテ
  物件形態 ビル診
  URL http://www.arai-cl.com/

2011.06.01.掲載 (C)LinkStaff

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